WHY NOT THE BEST?

20230923

第39代米国大統領ジミー・カーター氏自著のタイトルです。邦訳は『なぜ、ベストをつくさないのか』(酒向克郎訳 英潮社)昭和51年11月3日(大統領選の投票開票日の翌日)初版発行。

当時、意識していた書籍でしたが、手にすることなく、今日に至っておりました。数日前、突然、この書籍(正確には書籍のタイトル)の事を思い返し、47年前の本が果たしてあるのかと訝りましたが、地元の図書館で調べてみたら幸いなことに予約が出来て、今日、読み進めています。

この書物で最も感銘を受けた箇所は、第五章「なぜベストをつくさないのか?」の中で、彼が原子力潜水艦開発計画参加者の選抜面接試験で面接官の海軍大佐(後に大将)との遣り取りの件です。二時間にわたる面接の話題として自分が選んだ、自信のある幾つかのテーマにもかかわらず、大将の厳しい質問に、実は大して知っていなかったのだということを、いやというほど思い知らされ、面接の最後に、「士官学校での成績は学年で何番だったか」と問われ、誇らしげに「はい、八百二十人中の※番目でありました」と答え、お褒めの言葉を期待していたのだが、その代わりに返って来た言葉は、「君はベストをつくしたのかね」―それであった。「はい、つくしました」と一瞬、言いかけたが、質問の相手が誰であるかを考え―「いいえ、いつもベストをつくしたわけではありません」―大将は私の顔を長い間じっと見つめて―更に最後の質問を放ったのである。その言葉こそ、私にとっては決して忘れることができない一言であった。「なぜ、ベストをつくさなかったのかね?」ーそれであった。(p.75~p.76 一部抜粋)

この言葉は、ベストを尽くして来なかった自分には、とても耳に痛く、胸に刺さります。将来、面接官に「君はベストをつくしたのかね」と問われたら、「70歳以降はベストを尽くして来ました!」と言いたいものです。

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