鹿児島紀行7

20231202

第3日目1

早朝起きて、朝風呂、トレーニング、再び朝風呂、部屋に戻り、横になりTVとスマートフォンを行ったり来たり。 9時15分に4Fのレストランで朝食。 黒服(他の人は白服)の女性(Nさん)が、いろいろ気を遣ってくれて、気持ちよく食事が出来ました。隅のコーナーでバラ寿司を作って食べたら、美味しく、お代わりをしてしまいました。

いつも素朴に疑問に思うのですが、テーブルに着くと、係りの人が「コーヒー、紅茶のどちらにしますか」(欧米では”Coffee or Tea?”)と聞かれ、本心は両方飲みたいのを、ぐっと堪えて、ほとんどいつも「コーヒーで」と応えています。一度、「両方」と言ってみたいと秘かに思っていますが、その勇気を出せるかどうか疑問です。最近は、食後に「紅茶」を頼むこともありますが。

食べ物は、どれも十分美味しく満足できます。減量を意識しているため、食べる量は、多くはありません。若い男性と同程度です。

食後に、4Fの広大なバルコニー庭園を散策します。鹿児島の陽射しは強く、日陰のベンチに座ってのんびりします。レストランで流れていたBGM(環境音楽とでもいうのでしょうか、同じ旋律がエンドレスに繰り返されている曲です。初めのうちは分かりませんが、意識し出すととても耳障りとなります。)と同じ曲が、バルコニーの所々に設置されているスピーカーの近くを通ると結構大きく聞こえます。

このホテル(に限りませんが)で真っ先に改善すべき点は、同じ曲をず~と繰り返すことは、即刻、やめるべきと思いました。なにより、レストランで働く従業員の身になって考えると、長時間、同じ曲を聞かされる訳ですので、これは一種のハラスメントです。このくだりを書いているときに、ふと、名著(怪著?)『うるさい日本の私』中島義道著 洋泉社(本体1,650円)を思い出しました。1996年初版発行の単行本ですので、単行本は書店では買えないと思います。調べてみたら角川文庫、新潮文庫、日経ビジネス人文庫から文庫化されています。文庫を買って、是非、読んでみて下さい。単行本は、直接、出版社に問い合わせるか、図書館で借りて下さい。当ブログの読者に最初にお奨めする本となりますが、太鼓判です。

部屋に戻り、指宿温泉への出発準備に取り掛かります。前回、指宿を仕事仲間と訪れたときまで、指宿温泉を”いぶすきおんせん”と常に正しくは言え(読め)ませんでした。忘れてならないのは、タオル。現地ではタオルを買うかレンタルするかですので、余計な出費を抑えるためにはこれは鉄則です。

高速を利用します。指宿スカイライン。常時見える訳ではありませんが、左に桜島を視界に入れながら渋滞も殆どなく、平均80km/hで40~50分走ります。一般道に降りて、感覚的には30分程度。目的地に到着。

砂蒸し温泉は幾つかあるようですが、そのうちの一つ、「砂むし会館 砂楽」です。駐車場は2、300m離れた高台にあります。クルマを停めて、坂を下って行きます。坂を下り切ったところに信号があって、会館は、信号を渡ってすぐの処に有りますので、白い会館を見ながら、無意識に坂を降りて行って、そのまま、信号に気付かず、道路を横断してしまうと、ときどきクルマが通りますので、危険です。

チケット売り場は2階にあり、エスカレーターを利用します。チケット売り場に数人並んでいます。売店があり、2Fからの景色を楽しめるように、外を向いたベンチが6台(9台?)、内側を向いたベンチが2台、大体、埋まっていました。平日で結構、賑わっています。砂むし入浴料1,100円。チケットと一緒に浴衣(特大)を手渡されました。ちなみに砂むし記念タオルは200円で販売、バスタオルは、200円で貸出でした。ふ~、二人で800円の節約になりました。

大浴場入口は会館の地下1階。エレベータを1階で乗り換えます。広い間口の入口を、靴を脱いでビニール袋に入れて、沢山並んでいる、100円が戻るロッカーの前で、着ている衣服を脱ぎ、靴も一緒に、ロッカーに入れ、浴衣を着ます。浴衣の下には何も身に着けないで下さいと書いてあります。タオルを持って、備え付けのビーチサンダル(サイズがいくつかあります)の中から、大きいサイズの黒のビーチサンダルを選び、浜まで、だらだら坂を2分くらい歩いて現場到着。入口少し手前に係りの男性が受付をしていて、そこでチケットを渡します。私がイメージしていた「(観光パンフレットで紹介されている)、広い砂浜にビーチパラソルで日陰を作って、その日陰部分に頭が来るように穴を掘ってそこに体を寝そばらせて、係りの人に体中に砂を掛けて貰って、顔中汗だらけになる砂蒸し風呂」とは、少し違って、波がやって来ない、波打ち際から大分離れた位置の砂浜にある、葦簀の屋根の下、横40mくらい、縦15mくらいの木造建物(屋根と柱)です。そこに縦に4人、横に15人くらい並ぶ感じの広さで、そこの砂に横たわって、係り員に砂を掛けて貰います。その際、顔に砂が掛からないよう、浴衣の襟から砂が入り込まないよう首周りに、タオルの壁を作るように巻いてくれます。これが少し気持ちがいいんです。目安10分と言われていましたが、折角なので15分目標。

じわ~と顔から汗が出て来ます。吹き出すほどではありません。後で言うには、彼女的には、あまり砂が熱くなかったと不完全燃焼気味でした。砂を掛けてくれているときに、足の指先に砂の重みを感じます。顔以外、身体全体を砂で覆われると、本気を出せば別ですが、圧迫されて身動きが取れません。拘束された状態です。苦しくはありませんが、少々熱く感じ始めます。幾つか柱に時計が架かっているので、あと何分かがすぐ分かります。寝そべっているときに高齢らしきご婦人(顔が動かないので音声だけです)の「湯治ツアーで来て、今日が二日目。温泉はいいけど、ホテルが遠くて大変」と満足・不満足のご意見を係りの高齢男性に述べていました。係りの彼は、この仕事は腰がやられると言っていました。それを聞いて、さもありなん。中腰で結構な重さの砂を載せたシャベルで観光客の体に被せる動作を続けることは重労働に違いなく、私は、半日持たないかも知れないと思ったりしながら15分経過を待ちました。

時間が来て、起き上がるときに、彼女は係員に助けて貰いながら、私は自力で、まず、上体を起こして、一呼吸。次に体を左に捻り、両手(左手メイン)を突いて、膝を曲げ、膝を突き、そろりと立ち上がって、砂を小さく振り払います。

二人で、来た道を戻りながら、観光名所の一つを制覇したことを確認しました。

大浴場に入る前にシャワー室で砂を洗い落とします。結局、大浴場の浴槽には入らず、シャワーで念入りに洗い流しておしまいにしました。

着替え後、彼女と合流、夕食の時間にはまだ早い午後3時半頃。この時間、開いている適当な店がなく、鹿児島市内に戻って、どこかで食べようということになりました。この判断が大正解だったことは、後に分かったことでした。

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