20241126
旅行5日目 10/24
早朝6時、24時間オープンの、他に誰もいないジムで30分ほど、軽くトレーニング。本来、寝起き直ぐの運動は、からだに良いことはないのでしょうが、「年寄の健康体操」レベルの負荷しか掛けませんので、問題なしとします。
8時15分、7Fレストラン「HARBELLA」(公式ホームページにも、この単語が何を意味するかの説明が無いのは、怪しからん話ですね。どなたか、お分かりになる人は、お手を挙げてください)
レストランについてホームページの説明では、”ブッフェ朝食とアラカルトの昼食と夕食をご提供するカジュアルでスタイリッシュなレストラン。長崎をはじめ地元九州の最高級の食材を使って、この土地ならではの工夫を凝らした各国料理を専門としています。屋外のテラスエリアからは素晴らしい景色が望めます。” (コピー&ペーストしてみました)
確かに、地元食材を使っているに違いなく、新鮮で健康的に思えます。選ぶ料理ことごとくが美味く食べられます。この日で4日連続ですが、まだ飽きが来ません。
9時、ラウンジでコーヒーを飲みながら、今日はレンタカーの日です。どこに行こうかと検討開始します。結局、コーヒー1杯を飲み終える頃には、一昨日に続き温泉に行くことにしました。
ホテルからアミュプラザ長崎新館を出ると国道202号線沿いにニッポンレンタカー長崎駅前営業所の建物が見えます。足が悪い者にとっては、やや遠く思える距離でしょう。
予約した車は小型車でホンダ フィットです。料金は、レシートで確かめると7,700円でした。一昨日のレンタカーは、早い時期に予約しましたので、中型車でも7,400円。やはり、直前(2日前)予約は、高くつくことが判りました。
秋空の下、快適な1時間前後のドライブ。行先は小浜温泉。バラク・フセイン・オバマ2世が米国第44代大統領に就任した当時、”オバマ“繋がりで、有名になった長崎県雲仙市小浜町にある小浜温泉です。雲仙温泉も有名ですが、距離的に、小浜温泉に軍配が上がりました。
小浜温泉には公衆浴場が七つあるらしいのですが、私が、この日、この眼で見て確認した公衆浴場は3か所。その中で一番良さそうなところに決めましたが、これが大正解。
温泉地区に入って、公衆浴場を探すために、行ったり来たりして、既に2か所を見ています。あと一つ、見てみようと、そしてこの3つの中から選ぼうと、海を左に見ながら、海岸通りの交差点を鋭角に右折して、1本、内側に入った細い道を徐行します。かなり細い道です。午前中ですので、スナック、小料理、バーなど、営業時間前で閉まっています。(中には廃業閉店した店舗も)バブルの頃は、さぞ、賑わっていたのだろうと思わせる通りです。少し前(30分くらい)に行った探索クルージングで、在処は分かっていて、徐行5分で”温泉左り”の小さな縦書き看板が目に入ります。細い十字路を左に進むと、坂になっていて、30mくらい上ると、左手に駐車可能台数7~8台の小さな駐車場があって、残り1台分、ぎりぎり停めることが出来ます。やはり、この公衆浴場にしよう。
クルマの中で、準備を整えているときに、高齢女性が軽自動車を運転して駐車場に入って来ました。 「出られます?」「これからです」
この遣り取りの後、女性は、初めて温泉に来た人には、決して出来ないと思えますが、クルマをほぼ真っ直ぐ前に進め、僅かなスペースでしたが、建物入口直前で停めました。
駐車場には風呂上りと思しき数人が腰かけて、口数少なく、話をしています。そのうちの一人が「運転うまいね~」と声を掛けます。確かにそうだと思います。殆どが地元民らしく高齢者です。
私たちは、ホテルから持参した白いタオルと小銭を持って、彼らに小さく「こんにちは」と言いながら建物に入り、番台らしき場所にに座っていた女性に、私が入浴料200円X2人分=400円丁度を支払います。どうやら、この女性は、停めたクルマの後方に住宅があるのですが、ここの住民で、この温泉のお世話をしているのだろうと私は、推定しました。住宅玄関に「温泉に御用の方は・・・」という貼り紙があったので。
脱衣場は、昔、建てられた建物であることを彷彿させる、木でとても趣のある造りです。脱いだ衣類は、木造のロッカーに容れるのですが、本来鍵付きの筈ですが、どれ一つにも鍵は付いていません。地元の人たちは、盗難されて困るものは、風呂には持って来ないと思いますが、旅行者は、ちょっと気になります。自動車の鍵だけですが。(車の中に貴重品類は隠していますので、大事なものは、クルマのキーのみです。)湯船から、浴室と洗い場を仕切るガラス越しに、ロッカーが見通せそうでしたので、湯船から見て最も手前のロッカーを使用しました。
浴室の引き戸を開け、空いている奥のカランを使います。掛湯が周りの人に撥ねないよう注意しながら、洗面器の湯を体に掛けます。これを七度繰り返します。
さあ、どちらの浴槽に入るか一瞬迷いましたが、奥の熱い方を選びました。二つの浴槽の仕切り壁の上に通された木製の樋があって、そこを熱い湯が流れています。それと並行して水道の水が流れています。樋は可動式になっていて、二つの浴槽のどちらにも熱い湯を流す事が出来ます。素朴な造り、仕組みに味があります。
片足をまず、湯の中に入れてみます。思ったほど、熱くありません。残った足を入れ、少しずつ体を沈めます。首まで沈めて、しばらく、このまま。これぞ温泉。”い~い湯だなッ”
1~2分経って、前方左に位置する樋に目を向け、あまり考えずに、浴槽の外の洗面器を手に取ります。胸まで湯に沈めたまま、洗面器を水面上(湯面上)に掲げて、樋に近づきます。洗面器に湯を受けて、いっぱいにし、それを両手に持って、浴槽の外に乗りだした上体の上方から、後頭部目掛けて一気に湯を掛けよう、普段、シャンプー洗髪をしないので、源泉掛け流しの湯で頭を殺菌清潔しようとの魂胆でした。
洗面器を樋の先端のすぐ下に構えます。樋の内側を流れて来る湯で洗面器の湯の嵩が増すに連れ、持つ手が重みを感じます。あと少し、・・。
今、振り返っても、 “ふ~っ”と、深い息を吐きますが、あのとき、一つの動作のお陰で大袈裟ですが、「命拾い」することになりました。
何気なく、左手指を8割方いっぱいになった洗面器の中に突っ込んだ途端、”アジアジアジィー!! ”鯵の開きを所望しているのではありません。)
そうです、湯が熱すぎたのです。慌てて、水道の水で冷やします。”あぶない、あぶない” 高齢読者諸兄姉、初めての温泉場では、湯加減を必ず確かめてから、事を進めましょう。
そのときは、知りませんでしたが、後で、調べてみたら、小浜温泉の湧出湯の温度は日本一高温でなんと105°Cでした。危うく大火傷を負うところでした。(勿論、樋を流れていた湯は、そこまで高温ではなかったにしても、感覚的には80°前後だったのではないでしょうか)
さすが、源泉掛け流し。浴室には、5~6人。旅人は私ひとり(多分)。女湯から家人と地元の人(多分)の会話が、高い壁を越えて聴こえて来ます。風呂を上がって、クルマの中で家人に聴いた処、その彼女は、駐車場で出会った例の高齢女性でした。
週に1回、1時間!クルマを運転して、この温泉に浸かりに来るそうです。言うには、”ここが一番”。
さもありなん。風呂から出て、からだ全体がぽかぽかしてなかなか汗が引かず、半袖ポロシャツ1枚になっても、長崎市街に入っても丁度良かったほどでした。
私の温泉選択が正しかったことが、”ここが一番”で明らかになった瞬間でした。温泉の名は、「脇浜共同浴場」。
その後、街道沿いの一風変わった食堂で昼食を摂り、海沿い一本道を走って長崎市街に入り、一昨日の鍋冠山と、長崎港・長崎市街を挟んで、向き合う稲佐山に行くことにしました。稲佐山は、ホテルのバルコニーから良く見えていた山です。
山道を走るのは、注意が必要ですが、楽しいドライブです。山道の途中に客室数の多い、大きなホテルが、地盤が固いのでしょう、また、より良い眺望を求めて山の斜面ぎりぎりのところに建っています。
頂上に着き、展望台から周囲を見渡します。今日も、夕日にはまだ早く、明るい景色を楽しむことになりました。夜になれば、さぞやと思える景色です。次回来るときは、必ず夜に来て、新世界三大夜景を楽しもう。
滞在30分。多少の渋滞はありましたが、スムーズにレンタカーを返却した後、駅構内の「長崎街道かもめ市場」に寄って、東京への土産物を物色しておきました。(翌日、マンションの子どもたちにハロウィーンクッキー(皿うどん味)を人数分(12人)購入しました。)
この売り場で初めて知ったのですが、長崎名物カステラの最老舗は、「文明堂総本店」(創業1,900年)(”カステラ1番・・”の東京銀座の文明堂は戦後、経営を分離したようです)ではなく、”カステラ本家”を名乗る、福砂屋(創業1624年)、次に”カステラ元祖を名乗る、松翁軒(創業1681年)でした。この3つを長崎3大カステラと呼ぶそうです。(これで長崎の「3大」を2個覚えましたね。)
ホテルに帰り、少し休憩。18時頃にラウンジで軽く夕食。部屋に戻って、明日のチェックアウトに備えて一部荷物のパッキング。
ベッドでTVを見ながら寝落ちしました。