20241008
60歳の頃、それまで山登りとは縁は、ありませんでしたが、登山を趣味にしてみよう、どうせ始めるなら、百名山全山踏破{それまで足で登った山は、富士山(20代に2度)と地元の筑波山(10代~30代で4度)のみ}を目指してみるかと思い立ったことがありました。結局、実行には移さないまま、少しずつ諦めの気持ちが強くなって、今日に至っております。
登山落伍者(登ってもいないのに)が出来ることと言えば、NHKの「山もの」のTV番組を見ることでした。「田中陽希Great Traverse 三百名山ひと筆書き」は、毎回、”自分には到底できない”と思いながら、楽しみに見ておりました。
最近ではNHKBSで放映中の酒場詩人 吉田類出演の「にっぽん百低山」がお気に入りです。先々週、百名山からハードルを下げて、百低山にチャレンジしてみるかと、彼の低山書籍2冊にパラパラと目を通してみました。出した結論は、今の私の体力では、ハードルが高過ぎる!でした。なにしろ、標高1500m!以下の山々を低山と定義していて、その中から”初心者”向けの山をピックアップしているのですから。
初心者ではなく、”超初心者”向けの山を紹介した本はないかと探してみたところ、探せばあるものですね。それは、『東京まちなか 超低山』(中村みつを著 ペリカン社 2,000円税別)です。私と同い年の著者の定義によれば、超低山とは、標高100m以下、比高(登山口から山頂までの標高差)50m未満の山で、東京23区内だけでも100以上あるようです。さっそく、取り寄せてじっくり目を通しました。読後感想は、”これです、今の私にぴったりな登山本は!”
高齢者で、これから登山を趣味としようと思い立ち、インターネットで、情報収集すると、紹介される山々は、とてもじゃありませんが、超初心者には無理な山々のオンパレード。思うに、初心者向け、高齢者向け登山関連の紹介記事を書こうとする者は、おそらく、自分が若い頃から頑健な登山家で、多分、70歳・60歳未満で、高齢者の非力を頭で思い浮かべることはしても、正しく理解出来ぬまま、想像で書いているのでしょう。
この超低山本は、70代以上の高齢読者諸兄姉には、真にお奨めの本です。標高9.8mの天然の山も紹介されています。書店で入手もしくは図書館で借りて、是非、お読みください。