20241010
一昨日の投稿で超低山本の紹介をしました。10/5じっくり読み、10/7に、さっそく実践です。記念すべき第一座として、おとめ山(新宿区下落合 標高33m)を選びました。我が家から都バス1本で行ける点が決め手となりました。超低山といえども、山登りには周到な準備が肝腎。この日は、秋晴れ快晴、午前中に25度を超えることとなったのですが、山頂での気温変化に耐えられるよう、紺のリュックサックに、薄い黒の長袖トレーナーと白のウルトラライトダウンのベストをしのばせることにしました。服装は、秋とはいえ、まだ強い日差しから頭を守るベージュのサファリハット、眼を守る銀色ミラーサングラス。上はグレーのポロシャツ、下は茶色のコットンズボン。白のスニーカー。グレーの五本指靴下。持ち物は、黒のスマートフォン、財布代わりの黒の手帳カバー(手帳本体は抜いています)に五千円札二枚(一万円札だと折らないとうまく収められません)、千円札五枚を挟み込み、硬貨は重くなるので持ちません。普段、身に付けている運転免許証とクレジットカードは、今日は、家に置いておきます。家の鍵と水分補給に350ccペットボトル(500ccはオーバースペックと思い)、そして、何はなくとも、この10月から新しくなった東京都シルバーパス。今年度の券面は薄いブルー。
”15時頃には戻る”と家人に言い置き、11時17分の始発バスに乗り込み、最後尾の座席を選びます。平日のこの時間でも立ち客数人。11時35分、目白警察署前で下車するも、一つ手前の目白駅前が正しい降車バス停と気付き、距離250m程度ですが、歩いて戻るのも悔しいので、ほどなくして、バスに乗り、1分で目白駅前下車。時刻は11時45分。なんという贅沢なバスの使い方。駅周りに簡易地図が掲示されていても地図の読めない男は、結局、心ならずも、グーグルマップを起動することにしました。ナビの案内通りに歩いて行きます。途中、閑静な住宅街(マンション街)を通り、しばらくして玉川学園女子大学(会社時代の卒業生の部下からよく話は聴いておりました)の裏手を歩きます。山手線の電車の音が近くに聞こえて来ます。カトリック(?)の教会も街に溶け込んでいます。道を歩いた限りでは、静かな高級住宅街(地価高騰の折、この地域一帯の住民は億万長者なのですね。)に思えます。
12時05分 おとめ山公園到着です。「おとめ山」とお聞きになると、”乙女山”を思い浮かべると思いますが、正しくは”御留山”です。徳川将軍家の鷹狩場として、一般人の立ち入りを禁じたことが由来のようです。入口の公園マップを見て、”見晴台”と記してあるところが山頂だろうと、見晴台を目指して歩き始めます。公園の間を一般道が通っていて車の往来もあったりして、少々戸惑いましたが、何とか、あたりをつけて、山頂方向らしき、小径を歩き続けます。数分歩く途中には、小川のせせらぎがあったり、周囲はこんもりとした緑に覆われ、ここが23区内とは驚きです。僅かな距離でしたが、いつのまにか、両腕を虫に刺されてしまい、半袖のファッションが間違いだと気付かされました。山登りには長袖、これは鉄則ですね。更に歩くと、間違いなくこの先が頂上だろうという傾斜道に辿り着きました。ゆっくりゆっくり登り坂を歩き始めた(この数十秒間は、まさしく登山気分でした)ときに、目の前を白っぽい長さ70cmくらいの蛇が横切り、茂みの中に這って行くところに遭遇しました。ヘビ年生まれの私にとっては、吉兆です。写真で追い掛けましたが、草叢で姿をはっきり写すことは出来ませんでした。
12時20分、見晴台に到着です。大きな欅の木を囲んで六角形のベンチがあり、そこに老女(最近、この表現は見聞きしません)が一人。”こんにちは”と明るく挨拶をして、各方角を写真に撮ります。木々の枝が伸びて、もはや見晴らすことは叶いませんが、僅かに木々の枝々の合間から新宿方面を望むことが出来ました。標高33m。それでも登頂したというこの達成感は、大袈裟に表現すればエベレストに通ずるものがあるのではないかと夢想した次第です。
辺りを見渡すと、数十メートル先にあずまやがあって、そこに若者数人がたむろしています。そちら方向に歩を進めますと、開けた小さな平地があって、ベンチが1基あり、30代男性が一人で弁当を食べています。離れたところから、無人のあずま屋を写真に収めます。先ほどの、見晴台に”ここが山頂”との表示がなかったため、首を左右して最高地点を探しますと、当方から見てあずま屋の左20mあたりが、どうも一番高いようです。どうせなら最高地点に立とうと、その地点に立って、自分の姿も映るように何枚か撮りました。少々汗を掻きましたが、晴れやかな気分で10分弱、山頂近辺に滞在し、登山気分を満喫してから下山開始。
基本的には来た道を戻るのですが、ナビの指示通りに帰るのも、なんとなく、癪に障り、ところどころ、指示を無視して、これはと思う道に入ったりして、時間を掛けて、目白駅方向に進みます。下山を始めて10分経った頃に、目白通りにぶつかります。右折方向が目白駅。自宅の方向は通りを左折です。腹も空いてきたので、途中、適当な店があったら入ろうと、左方向に進むこととしました。駅から中途半端に離れているため、食べる店がほとんどなく、山手通りがすぐ先のところまで歩くこととなりましたが、目白五丁目バス停が店の玄関先という、店構えに風情のある、うなぎ、焼き鳥の店に気づきました。よくこの道はクルマで通るのですが、見落としていました。店先にメニューがあり、ウナギが一番上に記され、一番下は親子丼950でした。うなぎは、2,000円台でしたので、親子丼にしようと、13時、店に入ります。
店内は客で混んでいて期待が持てそうでしたが、結果は、大正解でした。具に、椎茸、筍も加わり、味よし、ボリュームたっぷり。小鉢三品、味噌汁。疲れた体に、ぬか漬けが最高。隣の席では高齢女性二人が日本酒を嗜んでいました。店名「いなげや」。初めての入店で、「親子丼」を食べたきりなので、責任を持って私が言えることは、この店のランチの親子丼は間違いない!です。
山登り後の疲労感と空腹感が相まって、最高の昼食を堪能し、店に入る前に時刻表を写真撮影しておいたので、お茶を飲みながら時間調整して、殆ど待つことなく、13時27分のバスに乗車。14時前に無事帰館。行って帰って3時間の山登りがここに完了しました。
翌朝、からだ全体が心地良い疲労感のせいでなのでしょう、いつもより遅く起床することになりました。
高齢読者諸兄姉、超低山登山、お奨めです。 私は、当面、週1回ペースで超低山に挑戦するつもりです