『文藝春秋3月号』を求めて中野へ

20250216

2/10、この日に発売された月刊『文藝春秋3月号』を買って来ようと、新宿から戻って一服した後、バスに乗って中野に行きました。

この二十年、書店減少に歯止めが掛からず、自分の住むエリアでも、個人経営の小書店を別にすれば、大型書店は、中野駅近くに1店を数えるのみです。発売当日だから、店頭には、必ず在庫がある筈なので、アマゾンで購入するのではなく、書店応援のため、中野の実店舗に行った次第です。

なぜ、『文藝春秋3月号』なのか? 

その答えを申しますと、年に2回、文藝春秋社は、芥川賞と直木賞をそれぞれ発表しています。そして、純文学短編作品である芥川賞受賞作品は、毎回、3月号と9月号に全文掲載されることになっています。受賞作品に限らず、候補作品となった、若しくは応募しようとした時点で、出版社は、単行本として出版している、若しくは出版することが通例となっています。その道の専門家たちが、この1年間に生みだされた数多の候補作品の中から賞を授けた文芸作品を読むのが、確率的に最も外れのない読み方に違いないと思って、私は、このところ、3月号と9月号が発売される度に購入しています。

因みに『文藝春秋3月号』(今回は、二人受賞、2作品掲載で特別定価1,750円と、いつもの3・9月号よりも高く値段が設定されいます)に掲載されている受賞作品は、既に単行本化されていて、安藤ホセ著『DTOPIA』河出書房新社1,760円と鈴木結生著『ゲーテはすべてを言った』朝日新聞出版1,760円の2作品です。

これで、分かりますね。

               1,760円+1,760円=3,520円>1,750円

そうです。『文藝春秋3月号』1冊、買う方が、単行本を2冊買うよりもお得だということです。

出版社もその点はよく分かっていて3月号と9月号は、他号よりも発行部数を多くしています。

ところで、私と同じ年に卒業し銀行に就職した友人は、職場の上司から、”月刊文藝春秋と週刊東洋経済は欠かさず買って読め”と指示されたと私に申して、当時、それを聞いた私も”さもありなん”と受け止めておりました。

それほどに、50年近く前は、『文藝春秋』はステータスのある雑誌でした。30~35年前、表4(雑誌の裏面)一頁の広告料が1,640,000だったと記憶しています。この表4に関しては、一切値引きがありませんでした。いまとは隔世の感があります。

自分も、会社勤めを始めてから、毎号では、ありませんでしたが、折に付け入手して、ざっと目を通して来ました。流石に、会社を離れてからは、読む頻度も落ち、最近は、年に2回、3月号と9月号を買うところで落ち着いています。

若い頃は、1~2日で読み終えていましたが、いまは、のんびり読むため、1か月楽しめます。これだけで、なんだか、いまの日本の文学界の趨勢を齧っている気分になれます。

この購入の仕方は、いまのところ気に入っています。

高齢読者諸兄姉、『文藝春秋3月号』、『文藝春秋9月号』は、書店でお買い求めをお奨めします。

タイトルとURLをコピーしました